2012年12月20日、BABYMETALは「I、D、Z~LEGEND “D” SU-METAL聖誕祭」を赤坂BLITZにて開催。
BABYMETAL初のワンマンLIVE「I、D、Z~LEGEND “I”」に続き、
ワンマンライブ第2弾「I、D、Z~LEGEND “D” SU-METAL聖誕祭」が決定しました!!
SU-METALの誕生日当日でもある12月20日に赤坂BLITZで開催します!!!■BABYMETAL ワンマンライブ「I、D、Z~LEGEND “D” SU-METAL聖誕祭」
■公演日:2012年12月20日(木)
■時間:開場17:30 / 開演18:30
■会場:赤坂BLITZ
■料金:MOSH’SH PIT(全席立見) ¥3500(スペシャルCD付/ドリンク別)
BABYMETAL公式HP2012年10月6日Newsより
会場の赤坂BLITZのキャパは約1,300。
SU-METALの誕生日にあわせてきたため、開催日はなんと平日。
しかしチケットは即完売。開場17:30にも関わらず会場前はこの人だかり。
出典:http://secretdesire.blog14.fc2.com/blog-entry-2559.html
会場内にはSU-METALの祭壇が。骨がファンからの貢物をうやうやしく祭壇に捧げていた模様。
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/black_sep24/31393759.html
客層にも変化が見られた。
・女性客が多くなった(http://cackle7pm.hatenablog.com/entry/2012/12/28/150556)(http://ameblo.jp/waffle-b/entry-11432737360.html)
・そもそもアイドルの現場にすら来たことない、みたいな人もけっこう多かった(http://cackle7pm.hatenablog.com/entry/2012/12/28/150556)
これまではアイドルファンが中心だったBABYMETAL(さくら学院)だったが、この頃から明らかにファン層がシフトしていった。
【セットリスト】
出典:https://twitter.com/BIGONEGIRLS/status/281785855062966272
当日の模様を伝える報道・ブログ
・http://www.excite.co.jp/News/music/20121225/Musicman_artist22791.html
・http://natalie.mu/music/news/82148
・http://mfound.jp/news/2012/12/016042.html
・http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/9178/2
・http://d.hatena.ne.jp/crossroad_2010/20121224/1356365991
・http://secretdesire.blog14.fc2.com/blog-entry-2559.html
・http://ameblo.jp/kuchiya/entry-11432154601.html
・http://ameblo.jp/waffle-b/entry-11432737360.html
・http://cackle7pm.hatenablog.com/entry/2012/12/28/150556
・http://nekopoku.tea-nifty.com/eririn/2012/12/babymetalliveid.html
・https://genbalog.wordpress.com/2012/12/24/20121220-babymetal
・http://blogs.yahoo.co.jp/black_sep24/31393759.html
報道によるとキャパオーバーの1,500人の観客を詰め込んだ会場。
ステージは白い幕で覆われいた。
客電が落とされると、この白い幕に紙芝居が投射される。語られたのは「Legend "I"」同様の巨大勢力「アイドル」に対抗すべくキツネ様がBABYMETALを降臨させたというストーリー。
ここでたいへん気になる言葉がでてきます。
「BABYMETALは神の化身
神の降臨に言葉は要らない
BABYMETALは神の化身
神の降臨に永遠はない」
・・・。
「神の降臨に永遠はない」
この言葉を意味するものは?
この頃BABYMETALファンの懸念、話題は、BABYMETALは中元すず香がさくら学院を卒業しても続くのかというところでした。
いまとなっては信じられないことですが、BABYMETALは中元すず香卒業と同時に解散するのではという見方が優勢だったそうです。そのような推測がなされるのはさもありなんという状況があったわけですが、このあたりはまた機会をあらためて詳しく見ていきます。とにかく、そのような一種の「悲壮感」「儚さ」を感じていたファンに、この「神の降臨に永遠はない」という言葉は強く突き刺さったようです。
1 BABYMETAL DEATH
白幕にBABYMETALの文字が流れるなか、ザクザクした重低音のギターの音が奏でられる。
白幕にはBABYMETALの姿が映し出される。
この演出かっこいいですのお!
白幕がバーンと落とされBABYMETALが降臨!
のっけから観客のボルテージはMAXでモッシュの嵐が起こる
2 君とアニメが見たい
2曲目にして早くもサーフが発生。
この日のライブはサーフが多発したようで、さくら学院由来のファンは、ファン層がかわってきているのをはっきり感じ取ったようだ。
ライブ前の状況として複数のファンがこう記している。
「前方に詰めかけるファンと、後方に待機するファンがはっきり分かれ、最前少し後ろには広大なスペースができていた。」
モッシュをいとわないファンと、もみくちゃにされるのは勘弁という客に二分されたようだ。ということで、例えば入場番号700番台でも最前付近までいけたとのこと。
3 ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
出典:http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/9178/2
ゆーえんみー!
ここで紙芝居。映像はステージ後ろにあるモニターに映し出された。
1997
セカンドインパクト
それは今からちょうど15年前の冬
"アイドル"の世界では"沖縄のSPEEDキング"の異名を持つあのティーンズグループが一世を風靡していた頃の12月20日SU-METALはこの世に生を享けた
時を同じくして15年前の12月31日"無敵"と呼ばれた伝説のバンドが東京ドームでその歴史の幕を閉じた
キツネ様は言った「この世界の理(ことわり)を超えた新たな生命の誕生。代償として古(いにしえ)の生命は滅びる。」と
来るべき「メタルレジスタンス」に備えSU-METALは「アイドル」の世界で努力を重ねるのであった
幼少期から地元のダンススクールに通ったり 絶対可憐なのに『だいたーん!』と歌ってみたり 成長期限定の学校に通ってみたり「アイドル」の世界におけるSU-METALのアンダーカバー(布教活動)は着々と遂行されていくのであった
さあ、SU-METALの聖誕15周年を祝う「15(いちご)の夜」の幕開けだ!!
いよいよSU-METALの聖誕祭が始まる!
1人登場したSU-METALが歌い始める。
出典:http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/9178/2
は~てーし~な~い~♪
おおお!
新曲かと思ったかたもいたでしょう。
しかしなんとこれはSPEEDのカバー曲。
4 White Love -Angel Of Death ver.-
中元すず香によるSPEED「White Love」のカバー。
これが素晴らしい。
ザクザクしたメタルアレンジにされた往年の名曲を中元すず香が歌い上げる。
振付けはおそらく中元すず香自身が考えたもの。
初のカバーにも関わらず観客のノリも素晴らしく、1人で観客を引っ張る姿は「歌姫」と呼ぶにふさわしい。
実は、僕が中元すず香の歌のすごさに初めて衝撃を受けたのがこの曲の映像を見たときでした。
音楽的センスのない僕のような人間は、中元すず香の歌だけ聞いても「上手だな」「きれいな声しているな」とは思っても、それが「どの程度なのか」というのはよくわかってなかったんです。
凡人は比べることでしかそのすごさがわからないと言いますか。
比べるのはあまりよくないかもしれませんが、この曲を聞いたときはほんと衝撃でした。「めちゃくちゃ上手いやん」「めちゃくちゃ声キレイやん」と。
中元すず香という歌手のリズムと音程がいかに安定しているか。高い高音もいかに苦も無く歌いこなすのか。そしてその高音がいかに気持ちよく綺麗に奏でられるのかということがよくわかりました。
個人的な話しですが、昔、音大生の友人がSPEEDをカラオケでよく歌っており、なかでも「White Love」は十八番でこれでもかと聞かされました。この人は絶対音感を持つ人で、音程を外すなんてことはあり得ないですし、リズムも正確に刻みます。(ちなみに漫画は読めません)
とても上手なんですが、声質はどうかというとこんな綺麗な高音はでません。どうしても鼻から抜けるような音になってしまうんですね。
その彼女が歌っていた音と比較すると、中元すず香という人は、「音程やリズムを正確に歌いこなす」という音楽の授業的に合格となる才能に加え、「美しい歌声」という天賦の才が双方とも高い次元で備わった稀に見る才能を持つシンガーなのだということが理解できました。
ということで、この曲は個人的にとても思い入れの大きい曲です。(実際に聞いたわけでもないのによく語るわという感じですが汗)
ちなみにライブに参加したかたの記録には「かぶせ」だったという記述も見られます。
SU-METALの聖誕祭という場で初めてカバー曲を披露したBABYMETALですが、なぜこのような選曲となったのでしょう。
ーーー「LEGEND D」公演ではカバーも初めてやりましたけど、その構想は結構前から考えていたんですか?
KOBAMETAL SU-METALの聖誕祭っていうことだったんで、ちょっとスペシャルな感じの作りにしたいなって思っていたんですよ。アイドルさんとかバンドさんとかの生誕祭って、普通はだいたいアンコール前でケーキがでてきたりとか(中略)
最初はそういう感じでもいいかと考えたんですけど、BABYMETALの世界観の中にそういうのを入れるのは無理だなって思って。本人には本当に申し訳ないんですけど、聖誕祭と言いながら何も祝ってあげられないと(笑)。(中略)
でも、ライヴの演出はなかなか外せないので、それ以外のところでSU-METALをフィーチャーしてあげようかなって思っていて。曲間にヒストリー・コーナーを作って…説明をするとあのVTRの通り97年生まれなんで。97年とはどういう年だったんだと。調べていくと色々あったんですよね。SPEED全盛期だったり、東京ドームでⅩJapanが解散したり。こんな偶然あるんだ!と。しかも全部12月…ⅩJapanが解散したのは12月31日でSU-METALが生まれた10日後くらいで、いろんな偶然が重なってて。あぁ、これは歴史の転換期っていうか…ⅩJapanが解散してSU-METALが生まれてる…新しいメタルが引き継がれていったな!とか。バカバカしいこじつけですけど(笑)色々と調べていくとストーリーが生まれてきて。97年にヒットした曲でSU-METAL自身も馴染みがあるっていうのでSPEEDの「White Love」…冬の曲でもあるし。これをSU-METALに歌ってもらおうと。
ヘドバン(vol.1)2013年7月4日発売より
コバさんはⅩJapanに相当思い入れを持っているようで、BABYMETALにはⅩJapanオマージュが多く含まれているわけですが、アイドル視点からはSPEEDというのはBABYMETALのルーツともいえます。
どいうことかというと、コバさんがアイドルを手掛けようと思ったのはPerfumeがきっかけというのは前の記事で見たとおりですが、ではPerfumeはどこから生まれたかというとBEE-HIVEというアミューズのアイドル育成プロジェクトからです。
そのBEE-HIVEに所属していたBuzy(COLOR)、BOYSTYLEというユニットは、SPEEDがもたらした本格派ティーネージャーボーカルダンスユニットブームに乗って1998~1999年に生み出された。(詳しくは450 さくら学院メンバー考察 BEE-HIVE継承説 参照)
こんな風にアミューズのアイドルの歴史を辿るだけでもSPEEDにたどり着くのですが、SPEEDは小中学生が本格的なボーカルとダンスを見せ大ヒットを連発し、日本のアイドル界に大きな転換点をもたらした存在。小中学生が本格的なボーカルとダンスをやるという意味でBABYMETALはSPEEDの系譜と言えます。
おまけにSPEEDというグループはダブルボーカルではあったが、グループ内でのボーカルとダンスの分業制がはっきりしていた稀なタイプであり、この点でもBABYMETALに通じるものがあります。
SPEEDがBABYMETALの原型と言いきるには資料や根拠が乏しいが、現代の多くのアイドルの系譜が全員がボーカルもダンスもこなすモーニング娘だとしたら、BABYMETALはそこからひと時代前のSPEEDの系譜と言っても決して間違いではないのではないか。
そういう意味でコバさんは1997年という偶然に大きな意味を見出したんじゃないかなと。
BABYMETALはアイドルとメタルの融合をコンセプトとして始まったが、この頃のBABYMETALを理解するには、アイドルをSPEED、メタルをⅩJapanに置き換えると色々見えてくるものがあるんじゃないか、そんなことを感じています。
☆本公演は映像化されています
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